マンション維持修繕技術者試験 07-33

【問題33】マンションの設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.超高層マンションの台所換気には、風圧の影響を考慮すると、一般的に第1種機械換気方式が望ましい。

2.トラップの破封現象とは、排水管の勾配不足に起因するもので、吸出し・はね出し現象や、自己サイフォン・毛管現象・蒸発等があげられる。

3.消防設備の点検の期間は、機器点検は6カ月、総合点検は1年、また、付帯する配線は総合点検で3年と定めている。

4.屋内消火栓の消防ホ−スの交換及び連結送水管の耐圧試験は、10年毎に行わなければならない。


■ANS 1


②勾配だけでなく、様々な要因がある。

自己サイフォン現象
洗面器などの多量に水をためて使用する器具で、器具・トラップ・排水管が連続したサイフォンとして働き、内部の水が排水されることがある。(サイフォンとは、隙間のない管を利用して、液体をある地点から目的地まで、途中出発地点より高い地点を通って導く装置であり、このメカニズムをサイフォンの原理と呼ぶ。 発明者は水時計などを作った紀元前3世紀半ばのアレクサンドリアの技術者、クテシビオスではないかと言われている。)


吸出し作用
縦管の上部などから多量に排水された場合、排水縦管に近い位置にあるトラップとの間で吸引作用が起こり、排水の落下と共にトラップ内の水を吸い出してしまう現象。共同住宅のような住居系建物では上階の居住者が浴槽の残り湯を流した場合、下階の住居で影響が起きる可能性がある。


はね出し作用
横走り管が短く排水縦管に近い位置にトラップ が設置され時などに、上部から縦管に多量に排水されると、排水管内で逃げ場を失った空気がトラップ内の水を室内側に噴出させることがある。


毛管現象(もうかんげんしょう)
内部に繊維状の物体が垂れ下がると、毛細管現象により内部の水が排水される。浴室の床用の排水口では皮脂や石鹸等がトラップ内にこびりつきやすく、また目が行き届きにくい場所であるために毛髪が汚れに絡みついても気付かずに毛管現象により破封することがある。


蒸発(じょうはつ)
長期間排水が流れないと蒸発により内部の水が減少する



③3年 → 1年

④屋内消火栓ホースは設置後10年経過したら3年ごとに耐圧試験が必要