マンション維持修繕技術者試験 11-21

【問題21】 鋼材面の塗膜劣化に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

1.鋼材面の塗膜の劣化は、鉄面に接触する塗膜の内部より生ずる。

2.鋼材面のさびは白色のさびが発生してから赤さびへと進行する。

3.塗装された鋼材面のさびは、塗膜の連続性が失われ、鉄鋼面が直接大気に触れた状態から発生する。

4.鋼材面の塗膜の目的は、鋼材の美装が中心で、さび止めは二次的なものである。


■ANS 3

①P216 鉄鋼部面の塗膜劣化は、まず塗膜表面部分の成分が破壊され、白亜化(チョーキング)現象が生じ、変退色への進行していく、次のステップとして、塗膜全体が脆弱化し始め、割れや剥がれ等の現象へと進行して素地面が露出し、鉄鋼面のサビ発生となる。

② 白さびとは、白色または白色に一部淡褐色の斑点を伴う、かさばった亜鉛酸化物が亜鉛めっき表面に形成された状態で、外観は白墨の粉が付着している感じです。
 白さびは亜鉛光沢のあるめっき層が、雨や露でぬれて容易に乾燥しないような環境にさらされたときに発生します。めっき層の全面が雨または露で均一にぬれているとき、またはぬれても比較的早く乾燥する環境下では白さびは発生しません。
 めっき表面に亜鉛を腐食させる物質、例えば強酸性物質、強アルカリ性物質、有機酸、食塩などが付着するといちじるしい白さびを発生します。海上輸送などで海水がかかっも白さびの原因となります。
 白さびは、かさばった亜鉛酸化物なので、実際のめっき層の腐食が僅かでもいちじるしく腐食されているように見えます。白さび発生部でも、その環境下から解放されると次第に脱落し、めっき表面には緻密な保護性皮膜を形成するので、耐食性にも影響はありません。
 白さびの発生を防止したいときは、保管時の環境に留意せねばなりません。すなわち雨や露にできるだけ濡らさないこと、および通風をよくして濡れた場合すみやかに乾燥させることが必要です。

④鉄鋼面素地に対する塗装の目的の第一は、素地の腐食を防止することで、一般にさび止めとしてその役割を果たしている。P212