マンション維持修繕技術者試験 06-03

【問題3】コンクリートの中性化に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.コンクリートの中性化は、一般的に空気中の二酸化炭素がコンクリート内に侵入し、炭酸化反応を起こすことによって細孔溶液中のpHが低下する現象である。

2.コンクリートの中性化は、日当たりが良く乾燥しやすい条件下では一般的に進行が遅い。

3.コンクリートの中性化の進行速度は、表面に仕上げを施すことで遅くすることが可能である。

4.コンクリート素地の中性化深さは、一般的に経過年数の平方根に比例する。


■ANS 2 ×

コンクリートの中性化は、大気中の二酸化炭素(CO2)がコンクリート内に侵入し、炭酸化反応を引き起こすことにより、本来アルカリ性である細孔溶液のphを下げる現象である。中性化はコンクリート表面より進行し、鉄筋などの鋼材位置に達すると、不動体被膜を破壊する。これにより鋼材を腐食させ、腐食生成物の堆積膨張により、コンクリートのひび割れ・剥離を引き起こし、耐荷力など構造物の性能低下を生じる。また、ひび割れが発生したコンクリートはさらにCO2の侵入を促すため、中性化によるコンクリート構造物の劣化、雨水等の浸入による鉄筋の腐食を加速させることが知られている。そのほか、湿潤状態より乾燥状態の方が、一般に中性化の進行は早い。